PowerGres

PowerGres Plus ご紹介

このページに記載の情報は、2005 年にリリースした PowerGres Plus V2 を対象としています。PowerGres Plus V2 の販売はすでに終了しています。

PowerGres Plus の最新バージョンに関する情報は、製品紹介ページまたは PowerGres 体験記ページを参照してください。

『ソリューションの全体像と、適用事例』

はじめに

これまで皆様に PowerGres Plus を知っていただくために基本的な機能を中心に PowerGres Plus をご紹介させていただきました。 この体験記だけでなく、セミナーやカンファレンスなどを通じて、PowerGres Plus のソリューションや適用事例についての質問を数多くいただきました。 今回、このご質問にお応えするために、PowerGres Plus のソリューションの全体像と、適用事例の一部をご紹介させていただきます。

PowerGres Plus の概要
ソリューション、適用事例をご紹介する前に、PowerGres Plusについての機能、コンセプトについてもう一度触れておきたいと思います。

PowerGres Plus とは

現在、企業のネットワーク環境における情報システムは、フロントエンドからエンタープライズまでを幅広くカバーできるプラットフォームとして、低価格で、かつ高い信頼性と堅牢性が求められています。 そのような状況の中、エントリ市場でスピードとコストで評価され、Web フロントとして普及してきたオープンソースが機能の面でも評価され、その適用領域を Web フロントだけでなく、部門サーバへと広げつつあります。

適用領域の拡大をみせるオープンソース
図 1: 適用領域の拡大をみせるオープンソース

PowerGres Plus は、最近普及のめざましいオープンソース「PostgreSQL」に、富士通が 20 年以上基幹業務で蓄えた自社データベースのノウハウを ESM (Extended Storage Manager) として組み込み、信頼性を強化したデータベースです。 さらに、セットアップ、環境設定をワンタッチで行える GUI (Graphical User Interface)、オリジナルの PostgreSQL を含む日本語マニュアルを提供し、操作性の向上を実現させたデータベースです。

PowerGres Plus の仕組み
図 2: PowerGres Plus の仕組み

PowerGres Plus の特徴

PowerGres Plus は、ストレージマネージャ部分を入れ替えているだけですから、PostgreSQL の機能は 100% 継承しています。 本来持つプログラムインタフェースや、PostgreSQL で使用されていたツールや、アプリケーションをそのまま使用することができます。 その他にも、以下のような特徴があります。

PowerGres Plus を使用するメリット

Oracle のような商用データベースは、開発からセットアップツールまでトータルに揃っており、非常に使いやすいデータベースです。 ディスクを何 10 本、何 100 本と使用する大規模システムでも十分に運用することができる細かいチューニングや設定を行うことができます。 ですが、ディスクを何 10 本も必要としない中規模なシステムではどうでしょうか? PowerGres Plus では、商用データベースの多くの機能や安定性と、オープンソースの利便性の良いとこ取りをし、中規模システムで、最小コストで高い信頼性のあるシステムを構築することができます。

中規模システムで、最小コスト、高い信頼性を実現
図 3: 中規模システムで、最小コスト、高い信頼性を実現

最小コスト

PowerGres Plus では、導入コストだけではく、運用コスト、開発コストも含めたトータルなコスト削減を行うことができる機能、ソリューションをご用意しています。

PowerGres Plus によるトータルな低コスト
図 4: PowerGres Plus によるトータルな低コスト

高い信頼性

データベースは、システムの規模にかかわらず高い信頼性が求められます。 しかし、どんなに気をつけていても、ハードウェア障害が発生する可能性はあります。 原因は人為的なミスや自然災害、ハードウェアとソフトウェアによる組み合わせによるものなど、さまざまです。 PowerGres Plus は、そんなもしもに備え、データを最新に復旧するための機能や、高信頼化ソリューションをご提供いたします。

どんな場合もデータベースを最新復旧することができる高信頼化ソリューション
図 5: どんな場合もデータベースを最新復旧することができる高信頼化ソリューション

さらに、PowerGres Plus では、システムの監視機能により、管理者にシステムの状態を通知する機能を提供し、高い信頼性のある「安全なシステムを簡単に構築する」ためのソリューションをご提供いたします。


図 6: 安全なシステムを簡単に構築する高信頼化ソリューション

ソリューション

PowerGres Plus は、最小コストをトータルで実現する、「データベースの移行ソリューション」、高い信頼性のあるシステムを簡単に構築する、「高信頼化ソリューション」、初期導入後の柔軟なシステム拡張を行うことができる、「大規模参照系ソリューション」をご提供いたします。

データベースの移行ソリューション

PowerGres Plus では、Oracle からのデータベース移行を行う「Oracle マイグレーション」と、Windows 標準である .NET アプリケーション開発を行う「.NET アプリケーション開発」をご用意しています。

Oracle マイグレーション

Oracle との親和性の高さ

PostgreSQL、MySQL などバージョンアップのたびに機能が追加され、商用データベースに迫る充実した機能を提供してきています。 この機会に商用データベースからの移行を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 PowerGres Plus (PostgreSQL) と Oracle との親和性は非常に高く、トランザクションの考え方も Oracle と同じ「読み取り一貫性」を採用しています。 データベースの移行もツールを使用してスムーズに行うことができます。

Oralce から PowerGres Plus への移行
図 7: Oralce から PowerGres Plus への移行

PowerGres Plus は、PostgreSQL の豊富な SQL、プログラムインタフェースを 100% 継承しており、JDBC ドライバを使用したアプリケーションなどの場合は、コネクション情報を変更するだけで移行ができるケースもあると思います。

ツール利用による移行作業の軽減

データベースの移行では、「ora2pg」という移行支援ツールを利用することで、移行作業を軽減することができます。 ora2pg は、Oracle からデータを移出するときに、データ型を PostgreSQL 用に変換し、ファイルに出力してくれます。それらのファイルを psql コマンドなどで実行して、PowerGres Plus に移入することができます。

ora2pg によるデータベースの移行
図 8: ora2pg によるデータベースの移行

参考: ora2pg のダウンロードサイト

https://www.samse.fr/GPL/ora2pg/

.NET アプリケーション開発

Npgsql を利用した Visual Studio .NET での開発

Windows では、OS のライブラリを .NET 化するなど、確実に .NET が Windows 標準になってきています。 Visual Studio .NET では、SQL Server や、Oracle の .NET 用のデータアクセスライブラリが標準添付され、.NET アプリケーションの開発ができます。 PostgreSQL でも Npgsql と呼ばれるライブラリが、PostgreSQL のドライバ類を開発している GBorg というワーキンググループのプロジェクトから提供されており、この Npgsql を使用することで、PowerGres Plus でも Visual Sutdio .NET 上で SQL Server と同様の手順で .NET アプリケーションを作成することができます。

Visual Studio .NET による、.NET アプリケーション開発
図 9: Visual Studio .NET による、.NET アプリケーション開発

参考: GBorg 公式サイト

https://gborg.postgresql.org/project/npgsql/

https://www.postgresql.org/ftp/projects/pgFoundry/npgsql/

高信頼化ソリューション

スケジューリングされたバックアップ機能

データベースの信頼性はデータの保護を確実に行うかであると思います。 そのために、外的要因の一つである自然災害を想定し、遠隔地にバックアップセンタを設けて、リモートディスクや外部媒体へデータベースをバックアップするのは、バックアップの 1 つのポリシーだと思います。

外部媒体へのバックアップ
図 10: 外部媒体へのバックアップ

PowerGres Plus はバックアップコマンドにより、ディスク上にバックアップデータを作成し、問題が発生した場合でも必ず最新の状態にデータを復旧することができます。 ディスク上のバックアップデータをリモートディスクや、外部媒体に退避することで、確実にバックアップデータを保護し、どのような場合でもデータベースを最新に復旧する機能をご用意しています。 さらにバックアップの処理を Linux の cron や、Windows のタスクと組み合わせ、簡単にスケジューリングすることができます。

差分バックアップの利用による作業時間の短縮

データベースのデータは、業務が継続するほど蓄積されますので、バックアップ作業が保守作業の時間を圧迫してきます。 PowerGres Plus では、バックアップデータの差分のバックアップを行うことで、日々のバックアップ作業時間の短縮を行うことができます。

差分バックアップ
図 11: 差分バックアップ

システムの監視機能

PowerGres Plus では常にディスクを監視し、その情報をシステムカタログのテーブルに格納していますので、簡単なスクリプトを作成し、テーブルの内容を参照することで、定期的にシステムの状態を報告する定期レポートや、異常発生時のアラームレポートをメールで管理者に通知することができます。

システムの監視機能
図 12: システムの監視機能

PowerGres Plus では、スケジューリングされたバックアップ機能や差分バックアップ、システムの監視機能により、安全なシステムを簡単に構築することができます。

大規模参照系ソリューション

柔軟なシステムの拡張

システムの初期導入はコストを抑えたいと考えるもの。 そして、業務の拡大にともないシステムの拡張を行っていきます。 しかし、最近ではインターネットの発達とともに、ヒット商品やマスメディアの情報提供などによる、急激なアクセスの増加や、その他さまざまな要因によって業務規模の予測が困難になってきています。 システムを拡張する場合、業務を停止するような方法ではお客様に迷惑ですし、なによりシステムをメンテナンスする管理者の作業時間がかかります。 また、1 回の拡張で済む保証はないので、さらに拡張を考慮した柔軟な拡張の手段が必要になります。

システムの柔軟な拡張の必要性
図 13: システムの柔軟な拡張の必要性

PowerGres Plus では、Slony-I と呼ばれるレプリケーションソフトウェアを使用することで、柔軟にシステムを拡張し、サーバへの膨大なアクセスの負荷分散を行うことができます。 また、Slony-I はチェーン方式と呼ばれる拡張方式を採用しているので、マスタを含むすべてのデータベースサーバを停止することなく、システムを追加することができます。

Slony-I によるシステムの柔軟な拡張
図 14: Slony-I によるシステムの柔軟な拡張

適用事例

適用事例にみる、お客様・技術者の評価をご紹介いたします。

ホスティングシステム

システム構築の要件とポイント

こちらのお客様は、とにかくオープンソフトでシステムを構築し、コストの削減を要件とされていましたが、サポート面や安定性の面、データの最新復旧を行うことができるバックアップ機能、ロギング機能を評価していただき、PowerGres Plus を採用していただきました。

システムの概要
図 15: システムの概要

システム構築後の評価

お客様より以下の評価をいただいております。

技術者からの評価として

また、実際にシステムを構築された技術者からは以下のような評価をいただいております。

EDI システム

システム構築の要件とポイント

こちらのお客様は従来メインフレームで行っていた EDI (電子データ交換) システムをオープン化されることが目的でした。 昨今の電子取引では、24 時間の受注が必要不可欠であり、コストパフォーマンスに優れた PowerGres Plus とクラスタリング運用することで、24 時間 365 日稼動が要件でした。 また、さまざまな業種の取引先との電子データを交換するため、多種多様の通信プロトコル、伝票フォーマットに対応する必要があり、導入実績が高く、従来のプロトコル、フォーマットをすべて網羅する「ACMS B2B」パッケージを採用してシステムを構築しました。

システムの概要
図 16: システムの概要

システム構築後の評価

お客様より以下の評価をいただいております。

実は、このシステム構築も 3 ヶ月で完了しています。 当社技術者がインフラ構築を担当、ACMS B2B パッケージ販売を行う株式会社ワイ・ディ・シー様が業務システム構築を担当し、作業分担によるスケジュールで進めたわけですが、PowerGres Plus が PostgreSQL のプログラムインタフェースを 100% 継承していることも、短期開発を行うことができた要因の一つであると考えています。

最後に

今回は、PowerGres Plus が提供するソリューションの全体像、適用事例についてご紹介いたしました。今後も機会がございましたら、随時適用事例をご紹介していきたいと思っています。

PowerGres Plus はオープンソースデータベースである PostgreSQL を利用したデータベースであることは、すでにご紹介いたしました。 我々は、PostgreSQL の普及が PowerGres Plus の普及につながると考えています。 今までの取り組みとして、PostgeSQL の普及を目的に、さまざまな取り組みをしてまいりました。 PowerGres Plus は、富士通が ESM をデストリビュータである SRA に提供し、SRA で製品化、販売を行っています。 このように、ESM などの新技術を製品としてご提供することも、PostgreSQL の普及の一つであると考えております。 また、コミュニティ様に対しても、JDBC ドライバの機能修正や、PostgreSQL 8.0 の開発などでコントリビュータとして貢献してまいりました。 最近リリースされました、PostgreSQL 8.1 などの機能追加の内容を見てもわかるように、PostgreSQL は、より高可用性の方向に進んでいます。 今後の取り組みとして、コミュニティ様へのオープンソースの改善提案、デストリビュータである SRA との協調体制を維持し、PostgreSQL の普及に努めると共に、より使いやすく、信頼性の高い製品をご提供してまいりたいと考えております。

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