はじめに

データベースの適用範囲も広がり、会計、財務、顧客管理などの多くのデータを扱うものから、Webフロントでの認証ユーザの管理といった比較的少量のデータを扱うものまでさまざまです。もちろん、データ量に関係なくバックアップなどの安全対策は必要です。しかし、小規模なシステムの場合はそのコストが、運用コストに対し非常に大きなものになってしまいます。

PowerGres Plusではシステムの規模に関係なく、簡単にデータの二重化による安全対策を行うことができます。

安全対策を簡単に行うことを目指して、PowerGres Plusには以下の3つの考え方が用いられています。

• 豊富でシンプルなバックアップ機能
• 自動的な状態チェックによる、データ保護機能の標準サポート
• 周辺ツールとの容易な連携

PowerGres Plusでは、さらに信頼性を高め、運用操作を簡易化する高信頼化ソリューションを提供します。

図1: PowerGres Plusでの高信頼化ソリューション

第1回目は、PowerGres Plusの高い信頼性と、簡単な操作による環境構築の概要を最初に説明します。そして、さらに信頼性を高め、運用操作を簡易化する高信頼化ソリューションの概要について紹介します。

PowerGres Plusでは、データベースと、バックアップを配置するディスクを別々に用意します。ディスクの配置はGUIにより簡単に設定することができます。

図2: セットアップよるディスクの配置

別々のディスクにデータベースとバックアップを配置しているので、データベースが壊れても、バックアップから必ず、最新の状態に戻すことができます。

PowerGres Plusは、より高信頼化され、より簡単なシステム構築を可能にする高信頼化ソリューションを提供します。

◇ 高信頼化

バックアップデータを更に保護するための機能

◇ 簡単なシステム構築を支援

運用設定、運用、監視、復旧をトータルにサポート

図3: 高信頼化ソリューション

高信頼化ソリューションは、バックアップデータを保護する以下の機能を提供します。

外部媒体や、リモートディスクへのバックアップデータの二次退避

高速バックアップ

周辺ソフトとの連携によるバックアップ

• 外部媒体や、リモートディスクへのバックアップデータの二次退避
サーバがバックアップごと故障してしまうと、ディスク上にあるバックアップも失われてしまいます。バックアップデータを外部媒体やリモートディスクに二次退避することで、そのような場合でもデータを最新の状態に戻すことができます。

図4: 外部媒体や、リモートディスクへのバックアップ

• 高速バックアップ
バックアップ処理後、次のバックアップ処理が行われるまで、データ操作の内容がログとして蓄えられます。
バックアップデータに加え、定期的にログを二次退避することで、高速バックアップを行うことができます。

図5: 高速バックアップ

• 周辺ソフトとの連携によるバックアップ
PowerGres Plusのバックアップデータは、ファイルとして扱うことができるため、一般的なバックアップソフトと簡単に連携することができます。
本シリーズでは、よく利用されているバックアップソフトであるNetVaultを使用したバックアップ運用を紹介する予定です。

図6: NetVaultによる二次退避

PowerGres Plusは、コマンド1個の簡単なバックアップ機能や、監視機能を提供します。運用開始時に定期的な監視機能の実行、バックアップの実行をcronを使用してスケジューリングすることで、運用をトータルにサポートします。

図7: システムのコマンドを利用した簡単な運用支援

今回は、PowerGres Plusの「高信頼化ソリューション」の概要について説明しました。次回より、高信頼化ソリューションの内容について詳細な説明をします。