PowerGres HA 運用手引き

1 はじめに

本マニュアルはPowerGres on Linux HA の日常的な運用について記述したものです。より詳しい説明が 必要なときにはそれぞれのマニュアルを参照してください。マニュアルの参照についてはこちらを参照してくだ さい。

2 基本的な操作

LifeKeeper GUI の起動

LifeKeeper GUI を起動するとダイアログが表示されます。Server Name、Login、Password にそれ ぞれログインするサーバ名、ユーザ名、パスワードを入力し、OK をクリックするとLifeKeeper GUI にロ グインすることができます。

LifeKeeper GUI の画面構成

LifeKeeper GUI にログインすると以下のような画面が表示されます。

craete_resource

LifeKeeper GUI の画面では以下のようにリソース階層やサーバ、リソースの状態を確認することができ ます。

LifeKeeperのマニュアル

LifeKeeper のマニュアルには「LifeKeeper on Linux 日本語マニュアル」CD-ROM に含まれるPDF ファ イル(「Release Notes」、「Planning and Instllation Guide」、「IP Recovery Kit Administration Guide」) とオンラインマニュアルがあります。

PowerGresのマニュアル

PowerGres のマニュアルには「PowerGres on Linux」CD-ROM に含まれるHTMLファイルがあります。

なお、PowerGres のマニュアルにはPostgreSQL と異なることを中心に記述されているので、PostgreSQL に関する詳しい説明はPostgreSQL のドキュメントを参照してください。 PostgreSQL のドキュメント(英語) は/usr/share/doc/powergres-version/html ディレクトリ以下に インストールされています。なお、PostgreSQL のドキュメント(日本語) については以下のURL を参照し てください。

3 モニタリング

正常状態の確認

エラーの表示例

LifeKeeper ログの表示

LifeKeeper ログの種類

LifeKeeper では6 種類のログが記録されます。

PowerGres のログ

PowerGres のログは標準ではデータベースクラスタディレクトリ以下のpg_log ディレクトリに格納され ます。

pg log ディレクトリにはログが標準ではpostgresql-%Y-%m-%d.log というファイル名で記 録されます。例えば、ログが2007 年12 月20 日12 時30 分38 秒から記録が開始されたときには postgresql-2007-12-30.log というファイル名になります。なお、ログファイルはテキストエディ タから読み込むことができます。 PowerGres のログについては「PostgreSQL 日本語マニュアル」の「17.7. エラー報告とログ取得」や「22.3. ログファイルの保守」を参照してください。

SNMP トラップ

LifeKeeper ではSNMP トラップによってサービスの起動やフェイルオーバーなどのイベントを送信する ことができます。

  1. lk configsnmp コマンドによってイベントを送信するサーバのIP アドレスを設定します。ip にはイ ベントを受信するサーバのIP アドレスを指定します。
  2. # /opt/LifeKeeper/bin/lk_configsnmp ip
    
  3. /etc/snmp/snmp.conf ファイルに以下の記述を追加します。
  4. defCommunity public
    
  5. イベントを受信するサーバで以下のようにsnmptrapd コマンドを実行します。
  6. # snmptrapd -P
    
  7. LifeKeeper GUI からイベントを発生させ、イベントを受信するサーバでログが標準出力に出力される ことを確認します。

なお、SNMP トラップによるイベントの送信については「Online Product Manual」の「Overview of LifeKeeper Event Forwarding via SNMP」も参照してください。「Online Product Manual」のタブか らContents を選択し、Configuring LifeKeeper、LifeKeeper Event Forwarding via SNMP、 Overview of LifeKeeper Event Forwarding via SNMP を選択すれば参照することができます。

4 メンテナンス

LifeKeeper の起動

LifeKeeper を起動するにはroot ユーザで以下のようにlkstart コマンドを実行します。なお、LifeKeeper はLifeKeeper GUI を起動するときにはすでに起動していなければなりません。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkstart

LifeKeeper の停止

LifeKeeper を停止するにはroot ユーザで以下のようにlkstop コマンドを実行します。このコマンドを 実行するとLifeKeeper に保護されていたリソースのサービスも停止します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkstop

例えば、LifeKeeper に保護されているリソースのサービスをバックアップサーバにフェイルオーバーさせ、 LifeKeeper を停止するには以下のようにlkstop コマンドを実行します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkstop -n

LifeKeeper GUI Server の起動

LifeKeeper GUI を起動するにはそれぞれのサーバでLifeKeeper GUI Server が起動していなければなり ません。

LifeKeeper GUI Server を起動するにはroot ユーザで以下のようにコマンドを実行します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkGUIserver start

LifeKeeper GUI Server を停止するにはroot ユーザで以下のようにコマンドを実行します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkGUIserver stop

PowerGres の起動と停止

PowerGres HA ではLifeKeeper によってPowerGres が保護されているため、pg ctl コマンドでPowerGres を停止したとしてもLifeKeeper によってローカルリカバリーされてしまいます。LifeKeeper に保護さ れているPowerGres を起動・停止するにはLifeKeeper からPowerGres リソースのサービスを起動・停止し なければなりません。

5 フェイルオーバーとスイッチオーバーの確認

フェイルオーバーの確認

プライマリサーバを停止することによってすべてのリソースがバックアップサーバにフェイルオーバー することを確認します。なお、システムの停止によるフェイルオーバーを確認するにはプライマリサーバ のShutdown Strategy をSwitchover Resources に設定しなければなりません。プライマリサーバの Shutdown Strategy をSwitchover Resources に設定するにはLifeKeeper GUI から以下のように行い ます。

  1. LifeKeeper GUI を起動し、ログインします。
  2. # /opt/LifeKeeper/bin/lkGUIapp &
    
  3. メニューからEdit、Server、Properties... を選択するとダイアログが表示されます。
  4. Server からプライマリサーバを選択します。
  5. タブからGeneral を選択し、Shutdown Strategy からSwitchover Resources を選択します。
  6. OK をクリックするとダイアログが閉じられます。

スイッチオーバーの確認

バックアップサーバのPowerGres リソースのサービスを起動することによってスイッチオーバーすること を確認します。バックアップサーバのPowerGres リソースのサービスを起動するにはLifeKeeper GUI から 以下のように行います。PowerGres リソースのサービスの起動・停止についてはこちらも参照してください。

  1. LifeKeeper GUI を起動し、ログインします。
  2. # /opt/LifeKeeper/bin/lkGUIapp &
    
  3. メニューからEdit、Resource、In Service... を選択するとダイアログが表示されます。
  4. Server からバックアップサーバを選択し、Next をクリックします。
  5. Resource(s) からサービスを起動するPowerGres リソースを選択し、Next をクリックします。
  6. In Service をクリックするとPowerGres リソースのサービスの起動、スイッチオーバーが開始され ます。
  7. Done をクリックするとダイアログが閉じられます。

コマンドラインからバックアップサーバのPowerGres リソースのサービスを起動するにはroot ユーザで 以下のようにlcdremexec コマンドを実行します。lcdremexec コマンドはコミュニケーションパスを通し てコマンドを実行するコマンドです。cmd には実行するコマンドを指定します。destname にはcmd を実行 するサーバを指定します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lcdremexec -d destname -- cmd

例えばsrapc2051 というバックアップサーバでpowergres-/share/data というタグ名のPowerGres リ ソースのサービスを起動するには以下のようにlcdremexec コマンドを実行します。

# /opt/LifeKeeper/bin/lcdremexec -d srapc2051 
-- perform_action -t powergres-/share/data -a restore

perform_action コマンドについてはこちらも参照してください。

6 FAQ

FAQ については以下のURL も合わせて参照してください。