サイレントインストール

サイレントインストールとは、ウィザードに従って対話的にインストールするのではなく、コマンドプロンプトでインストール時に必要な情報をオプションとして指定してインストールする機能です。 例えば、パッケージ製品でユーザに意識させずに PowerGres をインストールしたり、ネットワークを通じて大量のサーバにインストールしたりする場合に便利です。

サイレントインストールの機能を利用するには、以下のようにインストーラの実行ファイル powergres-9.6.x-setup.exe/S オプションを指定して実行します。 /LICENSE_KEY オプションはライセンスキーを指定するオプションです。 その他にも多くのオプションが存在します。 指定できるオプションについては「オプション」を参照してください。

管理ツール(PowerGres Administration Tool)についても、powergresadmin-1.x.x-setup.exe/S オプションを指定して実行します。オプションは、管理ツールの操作を行うユーザを作成するため /USERNAME/PASSWORD が必要です。

powergres-9.6.x-setup.exe /S /LICENSE_KEY=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX
powergresadmin-1.x.x-setup.exe /S /USERNAME=username /PASSWORD=user_password

PowerGres、PowerGres Administration Tool のインストールは OS の管理者権限のあるユーザで行ってください。 また、Windows のユーザアカウント制御 (UAC) が有効な場合、インストールとアンインストールを行う最初の時点で管理者承認モードへの移行が求められますので、コマンドプロンプトを管理者として実行する必要があります。

インストーラの実行ファイル powergres-9.6.x-setup.exe は製品に付属する CD-ROM、または ZIP ファイルを展開したフォルダの setup ファルダに格納されています。

オプション

インストーラのオプションはサイレントモードでない場合にも指定できます。 サイレントモードでない場合には、インストーラのウィザードが起動され、オプションで指定した値が入力された状態になります。

オプションの大文字、小文字の違いは区別されます。 例えば、サイレントモードで起動する場合には、オプションは /s ではなく /S と指定する必要があります。

存在しないオプションを指定してもエラーにならずに無視されます。

オプションの値に空白が含まれていても「" (ダブルクォート)」で囲む必要はありません。 「"」で囲んでも /D オプションを除いて問題はありません。 /D オプションの値は「"」で囲まずに指定する必要があります。

サイレントモードはインストール時だけでなくアップデート時にも利用できます。 アップデート時にはインストール時のオプションがデフォルトになります。 アップデート時に変更できない値 (インストール先のフォルダ) に、アップデート前と異なる値を指定した場合には、エラーになります。

PowerGres, PowerGres Administration Tool 共通のオプション

/S

インストーラをサイレントモードで起動します。

/D=インストール先のフォルダ

インストール先のフォルダを絶対パスで指定します。 /D オプションは、コマンドラインの最後に指定し、パスに空白が含まれている場合にもクォートせずに指定する必要があります。

powergres-9.6.x-setup.exe /S /LICENSE_KEY=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX /D=C:\My Program Files\PowerGres96

デフォルトでは C:\Program Files\PowerGres 9.6 になります。

PowerGres のオプション

/LICENSE_KEY=ライセンスキー

ライセンスキーを指定します。 サイレントモードでのインストール時には必ず指定する必要があります。 評価版のライセンスキー Evaluation も指定できます。

/COMPONENTS=コンポーネント名[,コンポーネント名]

インストール対象のコンポーネントの名前をカンマ区切りで指定します。 指定できるコンポーネントは以下のとおりです。 コンポーネント名の大文字、小文字の違いは区別されません。

CLIENT PowerGres クライアント (必須)
SERVER PowerGres サーバ
DOCS PowerGres ドキュメント
DEVEL PowerGres 開発
POSTGIS PostGIS
TEXTSEARCH_JA textsearch_ja
PGADMIN3 pgAdmin III
START_MENU スタートメニューとデスクトップにショートカットを作成

デフォルトでは CLIENTSERVERDOCSSTART_MENU になります。

/COMPONENTS オプションを指定した場合には、デフォルトのコンポーネントの指定が解除されます。 そのため、すべてのコンポーネントをインストールする場合には、CLIENT を除くすべてのコンポーネントを指定する必要があります。

アップデート時にインストール済みのコンポーネントの指定を解除してもアップデートされます。

PowerGres Administration Tool のオプション

/USERNAME=ユーザ名
/PASSWORD=パスワード

管理ツールにログインするためのユーザを指定された名前、パスワードで作成します。

/HTTP_PORT=ポート番号(80)
/HTTPS_PORT=ポート番号(443)
/FCGI_PORT=ポート番号(9000)

管理ツールが使用するポート番号を変更したい場合に指定します。デフォルトでは、/HTTP_PORT=80 /HTTPS_PORT=443 /FCGI_PORT=9000 が指定されます。

終了コード

インストールが正常に完了したかどうかはインストーラの終了コードで判断できます。 終了コードは、インストールが正常に完了した場合には 0、ユーザによって中断された場合には 1、エラーによって中断された場合には 2 を返します。

インストーラの終了コードは、コマンドプロンプトの変数 ERRORLEVEL、または ERRORLEVEL コマンドで参照できます。 ただし、コマンドプロンプトやバッチファイルから直接インストーラを起動すると、別のプロセスとして起動されて終了コードが設定されません。

C:\> ECHO %ERRORLEVEL%
9009
C:\> powergres-9.6.x-setup.exe /S /LICENSE_KEY=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX
C:\> ECHO %ERRORLEVEL%
9009 <- インストーラの終了コードが設定されていない

インストーラの終了コードを参照したい場合には、START コマンドでインストーラを起動してインストールが完了するまで待つ必要があります。

@ECHO OFF
START "" /WAIT /B powergres-9.6.x-setup.exe /S /LICENSE_KEY=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX
IF ERRORLEVEL 1 (
  ECHO PowerGres のインストールに失敗しました。
  EXIT /B 1
)