その他

1 自動起動

PowerGres on Linux では、システム起動時に PowerGres を自動的に起動するよう設定することができます。

設定方法

  1. 管理ツールからデータベースクラスタを作成します。
  2. サーバを作成する際に標準のデータベースディレクトリ (/var/lib/pgsql/data)、ポート (5432) を指定している場合は、root ユーザ で以下のようにコマンドを実行すれば、powergres90 という名前のサービスが有 効となり、システム起動時に PowerGres が自動的に起動するようになります。
  3. # chkconfig powergres90 on
    
  4. データベースディレクトリ、ポートに標準でないものを指定している場合は、 /etc/sysconfig/powergres90 ディレクトリにサービス名と同じ名前のファイル を作成し、そのファイルにデータベースディレクトリ、ポートを設定します。
    例えば、サービス名が powergres90、データベースディレクトリが /var/lib/pgsql/data2、ポートが 5433 であれば、ファイル /etc/sysconfig/powergres90/powergres90 に以下のように設定します。
  5. PGDATA=/var/lib/pgsql/data2
    PGPORT=5433
    

なお、システム起動時に複数の PowerGres を自動的に起動するように設定す る場合は、起動スクリプト /etc/rc.d/init.d/powergres90 のシンボリックリン クを適当な名前で作成し、システムのサービスとして登録します。ここで指定 した名前がサービス名となります。

例えば、サービス名が test であれば、以下のようにコマンドを実行し ます。

# ln -s /etc/rc.d/init.d/powergres90 /etc/rc.d/init.d/test
# chkconfig --add test

データベースディレクトリ、ポートの設定は、/etc/sysconfig/powergres90 ディレクトリにサービス名と同じ名前のファイル (サービス名が test であれ ば /etc/sysconfig/powergres90/test) を作成し、そのファイルにデータベー スディレクトリ、ポートを設定します。

PGDATA=/var/lib/pgsql/data3
PGPORT=5434

設定解除方法

システム起動時に PowerGres が自動的に起動することを解除するため には、以下のようにコマンドを実行します。

# chkconfig powergres90 off

設定確認方法

システム起動時に PowerGres が自動的に起動するように設定されていること を確認するためには、以下のようにコマンドを実行します。

# chkconfig --list powergres90
powergres90   0:off   1:off   2:on    3:on    4:on    5:on    6:off

0 から 6 までの数字はシステムのランレベルを表しており、ランレベルごと に PowerGres が自動的に起動するように設定されていれば on、そうでなけれ ば off と表示されます。


2 旧バージョンからの移行

旧バージョンからの移行は、同一バージョン系列内の移行 (例えば、V9.0 から V9.0 Update 5) と、PowerGres V9.0 より前のバージョンからの移行 (例えば、V7 から V9.0 Update 5) によって方法が異なります。

同一バージョン系列内の移行手順

同一バージョン系列内の移行の場合は、データベースクラスタや設定をそのまま引き継ぐことができるので、データのダンプ・リストアを行う必要はありません。PowerGres V9.0 を最新版にするだけで、データ、設定を引き継いで使用できます。

  1. アップグレードスクリプトを実行し、PowerGres V9.0 を最新版にします。

    # sh (CD-ROMをマウントしたディレクトリ)/upgrade.sh
    
  2. 使用許諾契約書の内容が表示されます。よくお読みの上、同意される場合は「yes」と入力します。

    Do you accept the end user software license agreement (yes/no): yes
    
  3. 以下のメッセージが表示されれば、アップグレードは完了です。

    Upgrade completed successfully.
    
  4. サービスを再起動します。

    管理ツールよりサービスの再起動を行います。操作手順の詳細は管理ツールマニュアル「サービス」-「サービスの再起動」を参照して下さい。

PowerGres V9.0 より前のバージョンからの移行

PowerGres V9.0 より前のバージョンから移行する場合、データベースクラスタや設定は、そのままでは引き継ぐことができません。いったんダンプ (バックアップ) を取り、こちらを V9.0 にてリストアする必要があります。

  1. PowerGres V9.0 をインストールします。

    インストール方法については「インストールの手順」を参照して下さい。

  2. ダンプを取得します。

    稼働中の旧バージョンのデータベースクラスタに対して、新バージョンの pg_dumpall を使用してダンプを取得します。以下のように実行します。

    $ /opt/powergres90/bin/pg_dumpall -U postgres > dumpall.sql
    

    この際、他のユーザがアクセスできないようにアクセス制限 (pg_hba.conf を編集する等) をして下さい。

  3. サービスを停止します。

    旧バージョンの管理ツールにて、現在稼働中のサービスを停止します。操作手順の詳細は管理ツールマニュアル「サービス」-「サービスの停止」を参照して下さい。

  4. 新たにデータベースクラスタを作成します。

    新バージョンの管理ツールにて、PowerGres V9.0 のデータベースクラスタを新たに作成します。操作手順の詳細は管理ツールマニュアル「サーバ」-「サーバの登録」-「データベースクラスタの新規作成」を参照して下さい。なお、新データベースクラスタを旧データベースクラスタと同じディレクトリパスに作成する場合は、旧データベースクラスタは移行が完了するまで削除せずに退避させることを推奨します。

  5. 新データベースクラスタでサービスを起動します。

    新バージョンの管理ツールにて、新データベースクラスタでサービスを起動します。操作手順の詳細は管理ツールマニュアル「サービス」-「サービスの開始」を参照して下さい。

  6. 取得したダンプファイルからデータをリストアします。

    新バージョンの管理ツールにて、ダンプファイルをリストアし、データを移行します。操作手順の詳細は管理ツールマニュアル「バックアップ / リストア」-「リストア」を参照して下さい。

  7. 設定の移行をします。

    設定の移行は、旧バージョンと新バージョン間でパラメータが異なる場合があるので、手動で行います。パラメータ差異などを確認した上で、旧バージョンの設定ファイルを参考に新バージョンにて、適切な設定を行って下さい。設定については、管理ツールマニュアル「設定」を参照して下さい。

  8. 旧バージョンをアンインストールします。

    移行後は、旧バージョンのアンインストールを行ってください。操作手順の詳細は、旧バージョンのマニュアル「アンインストールの手順」を参照して下さい。


3 textsearch-ja

textsearch-ja は形態素解析 (Mecab) を使用した日本語全文検索です。機能の詳細につきましては textsearch-ja プロジェクトのホームページをご覧ください。

  1. textsearch_ja.sql の読み込み
  2. 利用するデータベースの psql コマンドラインより、以下を実行します。

    =# \i /opt/powergres90/share/pgsql/contrib/textsearch_ja.sql
    SET
    BEGIN
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE TEXT SEARCH PARSER
    COMMENT
    CREATE FUNCTION
    CREATE TEXT SEARCH TEMPLATE
    CREATE TEXT SEARCH DICTIONARY
    CREATE TEXT SEARCH CONFIGURATION
    COMMENT
    ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION
    ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION
    ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    CREATE FUNCTION
    COMMIT
    
  3. 動作確認
  4. =# SELECT to_tsvector('japanese', 'すもももももももものうち');
          to_tsvector      
    -----------------------
     'すもも':1 'もも':2,3
    (1 row)
    

    既に別バージョンの mecab がインストールされている場合には LD_LIBRARY_PATH の設定が必要になります。 詳しくは、1. インストールの手順 をご覧ください。


4 PostGIS

PostGIS は地理情報を取り扱うためのモジュールです。機能の詳細につきましては PostGIS プロジェクトのホームページをご覧ください。

  1. PostGIS の RPM パッケージをインストール

    コマンドラインより、root ユーザで以下を実行します。 プラットフォームには、Red Hat Enterprise Linux 6 (CentOS 6) であれば rhel6、Red Hat Enterprise Linux 5 (CentOS 5) であれば rhel5 を指定します。 アーキテクチャには、64 ビットであれば x86_64、32 ビットであれば i386 を指定します。

    # cd /media/cdrom/packages/(プラットフォーム)-(アーキテクチャ)
    # sudo rpm -ivh \
    >     powergres90-geos-3.2.2-1.(アーキテクチャ).rpm \
    >     powergres90-proj-4.7.0-1.(アーキテクチャ).rpm \
    >     powergres90-postgis-1.5.2-1.(アーキテクチャ).rpm 
    Preparing...                ########################################### [100%]
       1:powergres90-proj       ########################################### [ 33%]
       2:powergres90-geos       ########################################### [ 67%]
       3:powergres90-postgis    ########################################### [100%]
    
  2. PostGIS のデータ型や関数を作成
  3. 利用するデータベースの psql コマンドラインより、以下を実行します。

    =# \i /opt/powergres90/share/pgsql/contrib/postgis-1.5/postgis.sql
    (省略)
    DROP FUNCTION
    DROP FUNCTION
    DROP FUNCTION
    =# \i /opt/powergres90/share/pgsql/contrib/postgis-1.5/spatial_ref_sys.sql
    (省略)
    INSERT 0 1
    COMMIT
    ANALYZE
    =# \i /opt/powergres90/share/pgsql/contrib/postgis-1.5/postgis_comments.sql
    (省略)
    COMMENT
    COMMENT
    COMMENT
    
  4. 動作確認
  5. =# \d
                   List of relations
     Schema |       Name        | Type  |  Owner
    --------+-------------------+-------+----------
     public | geography_columns | view  | postgres
     public | geometry_columns  | table | postgres
     public | spatial_ref_sys   | table | postgres
    (3 rows)
    
    =# SELECT postgis_version();
                postgis_version
    ---------------------------------------
     1.5 USE_GEOS=1 USE_PROJ=1 USE_STATS=1
    (1 row)
    

    以上のように動作を確認することができます。

5 お問い合わせ

技術的なお問い合わせ:
SRA OSS, Inc. 日本支社
PowerGres-info@sraoss.co.jp

販売/サポートに関するお問い合わせ:
SRA OSS, Inc. 日本支社
PowerGres-sales@sraoss.co.jp