幾何データ型は2次元空間オブジェクトを表現します。 表8-16は、PostgreSQLで使用可能な幾何データ型を列挙したものです。 もっとも基本となる型はpointで、すべての他の型の基礎を形成します。
表 8-16. 幾何データ型
型名 | 格納サイズ | 表現 | 説明 |
---|---|---|---|
point | 16バイト | 平面における座標点 | (x,y) |
line | 32バイト | 無限の直線 (完全には実装されていません) | ((x1,y1),(x2,y2)) |
lseg | 32バイト | 有限の線分 | ((x1,y1),(x2,y2)) |
box | 32バイト | 矩形 | ((x1,y1),(x2,y2)) |
path | 16+16nバイト | 閉経路(多角形に類似) | ((x1,y1),...) |
path | 16+16nバイト | 開経路 | [(x1,y1),...] |
polygon | 40+16nバイト | 多角形(閉経路に類似) | ((x1,y1),...) |
circle | 24バイト | 円 | <(x,y),r>(中心と半径) |
拡大縮小、変形、回転、交点の算出といった様々な幾何学的操作を行う関数と演算子の集合が豊富に揃っています。 このことについては項9.9に説明があります。
座標点は幾何データ型の基礎となる2次元構成要素です。 point型の値は次の構文で指定されます。
( x , y ) x , y
ここでxとyは、それぞれの座標を浮動小数点数数値で表したものです。
線分(lseg)は座標点の組合せで表現されます。 lseg型の値は次の構文で指定されます。
( ( x1 , y1 ) , ( x2 , y2 ) ) ( x1 , y1 ) , ( x2 , y2 ) x1 , y1 , x2 , y2
ここで、(x1,y1)と(x2,y2)は線分の終端点です。
矩形は、矩形の対角線の両端の座標点の組み合わせで表されます。 box型の値は以下の構文で指定されます。
( ( x1 , y1 ) , ( x2 , y2 ) ) ( x1 , y1 ) , ( x2 , y2 ) x1 , y1 , x2 , y2
ここで(x1,y1)と(x2,y2)は矩形の対角線の両端です。
矩形は最初に示した構文で出力されます。 頂点は、右上の頂点を最初に、左下の頂点をその後に格納するよう入力時に並べられます。 矩形の他の頂点を入力しても構いませんが入力の左下と右上の頂点から矩形が決定され、そして格納されます。
経路は接続している座標点の集まりで表現されます。 経路は最初の座標点と最後の座標点が接続されていない開いている状態か、最初の座標点と最後の座標点が接続されている閉じた状態かのいずれかです。 ある経路を強制的に開いた状態や閉じた状態にするpopen(p)とpclose(p)関数が提供されていて、またisopen(p)とisclosed(p)関数で、式の中でどちらの形式かを検証できます。
path型の値は次の構文で指定されます。
( ( x1 , y1 ) , ... , ( xn , yn ) ) [ ( x1 , y1 ) , ... , ( xn , yn ) ] ( x1 , y1 ) , ... , ( xn , yn ) ( x1 , y1 , ... , xn , yn ) x1 , y1 , ... , xn , yn
ここで、各座標点は、経路を構成する線分の終端点です。 大括弧([])は開経路を、括弧(())は閉経路を示します。
経路は最初の構文で出力されます。