はじめに

Table of Contents
1. PostgreSQLとは?
2. PostgreSQL 小史
3. 本書の構成
4. ドキュメントリソースの概要
5. 用語と表記
6. バグレポートガイドライン

1. PostgreSQLとは?

PostgreSQL は、カリフォルニア大学バークレー校のコンピュータサイエンス学科で開発された POSTGRES, Version 4.2 をベースにしたオブジェクトリレーショナルデータベース管理システム(ORDBMS)です。POSTGRES プロジェクトは Michael Stonebraker 教授によって率いられ、米国防衛高等研究企画庁(DARPA)、陸軍研究事務所(ARO)、全米科学財団(NSF)、ESL, Inc がスポンサーとなっていました。

PostgreSQL はオリジナルのバークレー校のソースコードを引き継ぐオープンソースのデータベースで、SQL92/SQL99 やその他の最新の機能をサポートしています。

POSTGRES は多くの、現在ではいくつかの商用データベースで利用できるようになった、オブジェクトリレーショナルの概念についてのパイオニアです。伝統的なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、特定の型の属性を含む名前付きリレーションの集合からなるデータモデルをサポートしています。現在の商用システムでの使用可能なデータ型としては、浮動小数、整数、文字列、通貨、日付があります。このデータモデルは、今後のデータ処理アプリケーションには不十分であると一般的に考えられています。リレーショナルモデルは、従来のモデルを置き換えることに成功しました。 それは一部には "スパルタ人の実直さ" によるものです。しかし、すでに触れたように、この実直さがアプリケーションの実装を非常に難しくしてしまうことがあります。PostgreSQL は、ユーザが容易にシステムを拡張できる、次のような概念を取り込むことでより高い機能をもたらしています。

また、次のような特徴により、より高い機能と柔軟さが可能となります。

このような特徴によって PostgreSQLオブジェクトリレーショナル データベースというカテゴリに分類されます。オブジェクトリレーショナルデータベースは、オブジェクト指向データベースとは違うものであることに注意してください。 オブジェクト指向データベースは一般的に伝統的なリレーショナルデータベース言語をサポートするのに向いていません。したがって、PostgreSQL にはオブジェクト指向の特徴があるものの、明確にリレーショナルデータベースの分類に属しています。実際、商用データベースには PostgreSQL が開拓した機能を最近になって組み込み始めたものがあります。