PostgreSQL Plus 管理者ガイド
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上へ第4章 バックアップとリカバリ

4.1 バックアップ

データベースの運用にあたっては、ディスク破壊などの異常時のリカバリに備えてデータベース資源のバックアップを行っておく必要があります。

■バックアップの方法

バックアップには、以下の方法があります。

pgx_dmpallコマンドについての詳細は、“リファレンス”を参照してください。
バックアップは、インスタンス管理者用ユーザ“postgres”で実行してください。

■バックアップの実行

PostgreSQL Plusのすべてのデータを、セットアップ時に指定したバックアップディレクトリ配下にバックアップします。
バックアップを実行すると、データベーススペースだけでなく、インスタンスを格納するディレクトリ配下の動作環境ファイルのバックアップも行います。また、バックアップによりリカバリに不要となったアーカイブログの内容が破棄されます。
バックアップの履歴は、バックアップディレクトリ配下に作成される管理ファイルに記録されます。バックアップの履歴については、“バックアップ状態の確認”を参照してください。

バックアップを実行したときのイメージを下図に示します。

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■バックアップ周期の考え方

定期的にバックアップを取る間隔のことをバックアップ周と呼びます。毎朝バックアップを取る場合、バックアップ周期は1日となります。
1日の業務の中でデータが更新されると、そのときのログがアーカイブログとしてアーカイブログファイルの中に蓄積されます。
昼に障害が発生した場合には、その日の朝にバックアップしたデータと蓄積されたアーカイブログを利用して、最新の状態にまで復旧できます。
このバックアップデータとアーカイブログを利用した最新状態への復旧を、メディアリカバと呼びます。
アーカイブログファイルの中には、更新のログが蓄積されますが、次にバックアップした時点で不要になります。
例えば、朝バックアップすれば、前日のアーカイブログは不要になるので、破棄されます。そのため、アーカイブログには、バックアップ後から、その時点までの更新されたログが蓄積されることになります。

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毎日バックアップを取る場合は、1日の更新量が入るだけのアーカイブログの大きさが必要になります。
すべてのアーカイブログファイルが満杯になった場合には、PostgreSQL Plus Administratorを利用して、以下のような対処をしてください。

  • バックアップを実行して、アーカイブログの内容を破棄したあとに、バックアップ周期を短くして運用する。
  • アーカイブログファイルのサイズを大きくする。
    詳細は、“3.5.2 バックアップの設定”を参照してください。

■アーカイブログファイルとバックアップデータの関係

バックアップディレクトには、インスタンスを格納するディレクトリが破壊されたときのメディアリカバリのために、アーカイブログファイと、バックアップの実行によって作成されるバックアップデーが格納されます。
アーカイブログファイルは、セットアップ時に指定したサイズで作成されます。日々のデータベース更新情報は、アーカイブログファイルに格納されます。アーカイブログファイルに格納されたデータベース更新情報は、バックアップの実行により、バックアップデータの作成とともに破棄が行われます。

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バックアップディレクトリは、PostgreSQL Plus Administratorで変更または再作成できます。詳細は、 “3.5.2 バックアップの設定”を参照してください。

バックアップの実行イメージを下図に示します。

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バックアップ以降に以下の操作をした場合には操作対象の資源の復旧ができなくなるため、再度バックアップを実施してください。

  • COPYコマンド(SETコマンドにENABLE_DIRECT_COPYパラメータを指定して高速コピーを利用した場合)
  • CLUSTERコマンド
  • REINDEXコマンド
  • CREATE INDEXコマンド
  • CREATE DATABASEコマンド
  • pgx_rcvallコマンド(-pオプション指定)

バックアップ状態の確認

バックアップを最後に実行した日時を確認することができます。バックアップ状態の確認には、以下の方法があります。

pgx_rcvallコマンドについての詳細は、“リファレンス”を参照してください。


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