サイレントインストール

サイレントインストールとは、ウィザードに従って対話的にインストールするのではなく、コマンドプロンプトでインストール時に必要な情報をオプションとして指定してインストールする機能です。 例えば、パッケージ製品でユーザに意識させずに PowerGres Plus をインストールしたり、ネットワークを通じて大量のサーバにインストールしたりする場合に便利です。

サイレントインストールの機能を利用するには、以下のようにインストーラの実行ファイル Setup.exe/S オプションを指定して実行します。 /K オプションはライセンスキーを指定するオプションです。 その他にも多くのオプションが存在します。 指定できるオプションについては「オプション」を参照してください。

Setup.exe /S /K=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX

インストーラの実行ファイル Setup.exe は製品に付属する CD-ROM、または ZIP ファイルを展開したフォルダの PowerGresPlus ファルダに格納されています。

オプション

インストーラのオプションはサイレントモードでない場合にも指定できます。 サイレントモードでない場合には、インストーラのウィザードが起動され、オプションで指定した値が入力された状態になります。

オプションの大文字、小文字の違いは区別されます。 例えば、サイレントモードで起動する場合には、オプションは /s ではなく /S と指定する必要があります。

存在しないオプションを指定してもエラーにならずに無視されます。

オプションの値に空白が含まれていても「" (ダブルクォート)」で囲む必要はありません。 「"」で囲んでも /D オプションを除いて問題はありません。 /D オプションの値は「"」で囲まずに指定する必要があります。

サイレントモードはインストール時だけでなくアップデート時にも利用できます。 アップデート時にはインストール時のオプションがデフォルトになります。 アップデート時に変更できない値 (PowerGres Plus のエディション、インストール先のフォルダ) に、アップデート前と異なる値を指定した場合には、エラーになります。

/S

インストーラをサイレントモードで起動します。

/L=ログファイル

ログメッセージの出力先のファイルを絶対パスで指定します。

/U=ユーザ名

PowerGres Plus を使用するユーザの名前を指定します。 デフォルトでは OS の使用者名 (HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\RegisteredOwner) になります。

/C=会社名

PowerGres Plus を使用するユーザの会社名を指定します。 デフォルトでは OS の使用者の組織名 (HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\Current Version\RegisteredOrganization) になります。

/K=ライセンスキー

ライセンスキーを指定します。 サイレントモードでのインストール時には必ず指定する必要があります。 評価版のライセンスキー Evaluation も指定できます。

/A=x86|AMD64

PowerGres Plus のエディションを x86 (32 ビット版) と AMD64 (64 ビット版) のいずれかを指定します。 デフォルトでは OS に応じたエディション (64 ビット版の OS であれば 64 ビット版) になります。 エディションの大文字、小文字の違いは区別されません。

64 ビット版の OS に 32 ビット版の PowerGres Plus をインストールする場合には x86 を指定します。 32 ビット版の OS には 32 ビット版の PowerGres Plus しかインストールできません。

32 ビット版の PowerGres Plus

32 ビット版の PowerGres Plus は動作検証を行っておらず、サポートサービスの対象外となります。 PowerGres Plus を評価するのに 32 ビット版の OS しか用意できなかった場合などにご利用ください。

/M=コンポーネント名[,コンポーネント名]

インストール対象のコンポーネントの名前をカンマ区切りで指定します。 指定できるコンポーネントは以下のとおりです。 コンポーネント名の大文字、小文字の違いは区別されません。

CLIENT PowerGres Plus クライアント (必須)
SERVER PowerGres Plus サーバ
DOCS PowerGres Plus ドキュメント
DEVEL PowerGres Plus 開発
TEXTSEARCH_JA textsearch_ja
POSTGIS PostGIS
PGADMIN3 pgAdmin III
ADDITIONAL_ICONS スタートメニューとデスクトップにショートッカットを作成

デフォルトでは CLIENTSERVERDOCSTEXTSEARCH_JAADDITIONAL_ICONS になります。

/M オプションを指定した場合には、デフォルトのコンポーネントの指定が解除されます。 そのため、すべてのコンポーネントをインストールする場合には、CLIENT を除くすべてのコンポーネントを指定する必要があります。

アップデート時にインストール済みのコンポーネントの指定を解除してもアップデートされます。

/D=インストール先のフォルダ

インストール先のフォルダを絶対パスで指定します。 /D オプションは、コマンドラインの最後に指定し、パスに空白が含まれている場合にもクォートせずに指定する必要があります。

Setup.exe /S /K=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX /D=C:\My Program Files\PowerGresPlus91

デフォルトでは C:\Program Files\PowerGresPlus91 (64 ビット版の OS に 32 ビット版の PowerGres Plus をインストールする場合には C:\Program Files(x86)\PowerGresPlus91) になります。

終了コード

インストールが正常に完了したかどうかはインストーラの終了コードで判断できます。 終了コードは、インストールが正常に完了した場合には 0、ユーザによって中断された場合には 1、エラーによって中断された場合には 2 を返します。

インストーラの終了コードは、コマンドプロンプトの変数 ERRORLEVEL、または ERRORLEVEL コマンドで参照できます。 ただし、コマンドプロンプトやバッチファイルから直接インストーラを起動すると、別のプロセスとして起動されて終了コードが設定されません。

C:\> ECHO %ERRORLEVEL%
9009

C:\> Setup.exe /S /K=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX

C:\> ECHO %ERRORLEVEL%
9009 <- インストーラの終了コードが設定されていない

インストーラの終了コードを参照したい場合には、START コマンドでインストーラを起動してインストールが完了するまで待つ必要があります。

@ECHO OFF
START "" /WAIT /B Setup.exe /S /K=XXXX-XXXX-XXXX-XXXX
IF ERRORLEVEL 1 (
  ECHO PowerGres Plus のインストールに失敗しました。
  EXIT /B 1
)