インストール

PowerGres on Linux HA では、以下のソフトウェアを順にインストールします。

  1. LifeKeeper for Linux
  2. PowerGres on Linux
  3. PowerGres on Linux リカバリキット

LifeKeeper のインストール

注意

データレプリケーション構成にする場合は、以下のデータレプリケーションモジュールをインストールします。

HADR-generic

SteelEye DataKeeper のためのプログラムおよびモジュール (SteelEye DataKeeper のためのプログラムおよびモジュール)

steeleye-lkDR

データレプリケーション用 Recovery Kit パッケージのインストール (データレプリケーション用 Recovery Kit パッケージのインストール)

InstallSupport セットアップの実行

LifeKeeper のパッケージをインストールする前に、LifeKeeper で HA クラスタリングをするために必要なシステム環境を作ります。 以下のように setup スクリプトを実行します。

# mount /dev/cdrom /media/cdrom
# cd /media/cdrom/Install
# ./setup

システム環境やディストリビューションによっては、下記のすべてを実行するのではなく、いくつかの項目をスキップする場合があります。 なお、質問事項に対してはほぼデフォルトの設定を利用します。

  1. 開始 (setup スクリプトの実行の有無の確認)

    (省略)
    Do you wish to continue (answering "no" will abort setup) (y/n) [y]?
    
  2. ksh のインストール

    ksh のパッケージがインストールされていない環境では、自動的にインストールされます。

    Installing pdksh...
    The following packages will be installed:
    pdksh-version-release.arch.rpm
    準備中...
    ##################################################
    pdksh
    ##################################################
    Installation was successful.
    
  3. 動作しているディストリビューションとカーネルの確認

    サポートされていないディストリビューション、カーネルで動作している場合、LifeKeeper のインストールを継続することができません。 またこのステップではディストリビューションに対応した LifeKeeper の基本パッケージが自動的に判定され、インストールされます。

    (省略)
    The following packages will be upgraded:
    steeleye-lkRHAS-version-release.noarch.rpm
    Do you wish to continue (answering "no" will abort setup) (y/n) [y]?
    
  4. Java のインストール

    LifeKeeper の GUI 管理画面で使用する Java Runtime Environment v1.6 がインストールされます。

    (省略)
    Do you wish to install the Java Runtime Environment v1.6.0_18
    on your system (y/n) [y] ?
    
  5. CCISS Recovery Kit のインストールの有無

    このリカバリキットは HP 社の SmartArray コントローラなど、同社提供の cciss ドライバを使用する外部ストレージ (MSA500、MSA500 G2 など) を LifeKeeper で保護する場合に必要です。 このステップは Red Hat Enterprise Linux 6 環境ではスキップされます。

    (省略)
    Do you wish to install the LifeKeeper CCISS Recovery Kit (y/n) [n] ?
    
  6. sg3_utils のインストール

    マルチパス I/O (PowerPath、DMMP、SDD、HDML、SPS) を使用している場合は、自動的にインストールされます。

    InstallSupport に含まれているパッケージバージョンよりも、新しいバージョンがすでに適用されている場合は、ディストリビューションに付属のパッケージを別途インストールするよう以下のようにメッセージが出力されます。 この場合、ディストリビューション付属の sg3_utils パッケージを別途インストールしてください。

    (省略)
    Do you wish to continue (answering "no" will abort setup) (y/n) [y]?
    
  7. SteelEye DataKeeper のためのプログラムおよびモジュール

    SteelEye DataKeeper に必要なモジュールおよびプログラムをインストールします。 下記の実行ログは Red Hat Enterprise Linux 5 での実行例です。 実際に導入されるパッケージ名などは OS 環境によって異なります。

    使用している OS が Red Hat Enterprise Linux 6 の環境である場合は、このステップで nbd モジュールがインストールされます。 このステップで導入されるパッケージは、SteelEye DataKeeper を使用しない場合は必要ありませんので、後ほど個別にアンインストールしても問題ありません。

    Installing high availability data replication utilities...
    The following packages will be upgraded:
    HADR-generic-version-release.arch.rpm
    準備中...
    ##################################################
    HADR-generic-version-release
    ##################################################
    Upgrade was successful.
    Press ENTER to continue...
    
  8. 高可用性を実現するための NFS の拡張の有無

    NFS Recovery Kit (5.0 以上) を使用して、NFS を LifeKeeper で保護する場合に必要となるパッケージです。 NFS Recovery Kit を使用しない場合は「n」を返答してください。

    (省略)
    Do you wish to enable the high availability features of nfs-utils
    (y/n) [y] ?
    

    上記で「y」を選択した場合、NFS daemons を有効にするための再起動の有無を確認します。

    (省略)
    Would you like setup to restart NFS now (y/n) [y] ?
    
  9. 必須パッケージのインストール

    各パッケージは、Lifekeeper の動作に必要なパッケージです。 すべてのパッケージをインストールします。

    (省略)
    Do you wish to continue (answering "no" will abort setup) (y/n) [y]?
    
  10. ライセンスユーティリティのインストール

    ライセンスキーをインストールするためのプログラムを導入します。 この後、続けてライセンスキーをインストールするか否かを求められます。

    The LifeKeeper Licensing Utilities Package will now be installed.
    The following packages will be installed:
    steeleye-lkLIC-version-release.arch.rpm
    準備中...
    ##################################################
    steeleye-lkLIC
    ##################################################
    Installation was successful.
    Press ENTER to continue...
    

    以下の問い合わせに、「y」を回答すると、ライセンスキー入力に移行します。 「n」と回答した場合でも、後からコマンドでライセンスキーをインストールすることができます。 (ライセンスキーの登録)

    (省略)
    Would you like to install a license key now? (y/n) [n] ?
    
  11. InstallSupport の完了

    以下のメッセージが表示されると、InstallSupport は終了です。 回答を変更して再度 InstallSupport を実行したい場合は、本手順を最初から繰り返してください。 InstallSupport は何度実行しても問題はありません。

    (省略)
    Setup has completed successfully.
    Press ENTER to exit
    

Core パッケージのインストール

  1. 基本パッケージおよびコアリカバリキットのインストール

    # mount /dev/cdrom /media/cdrom
    # cd /media/cdrom/Core
    # rpm -ivh *.rpm
    
  2. ルートアカウントの環境変数の設定

    /root/.bash_profile 抜粋

    # For LifeKeeper
    PATH=$PATH:/opt/LifeKeeper/bin
    MANPATH=$MANPATH:/opt/LifeKeeper/man
    export PATH MANPATH
    

データレプリケーション用 Recovery Kit パッケージのインストール

データレプリケーション構成にする場合は、以下のデータレプリケーションモジュールをインストールしてください。

# mount /dev/cdrom /media/cdrom
# cd /media/cdrom/Recovery_Kits
# rpm -ivh steeleye-lkDR-version-release.noarch.rpm
準備中... ########################################### [100%]
1:steeleye-lkDR ########################################### [100%]

ライセンスキーの登録

ライセンスキーをすでに ライセンスユーティリティのインストール でインストールしてしまっている場合は必要ありません。

lkkeyins コマンドを実行して、ライセンスキーが格納されているファイルを指定してください。

# /opt/LifeKeeper/bin/lkkeyins
Please enter the complete pathname of the file containing your
license key:

ライセンスのインストールが完了すると、以下のメッセージが表示されます。

LifeKeeper license key installation was successful!

PowerGres のインストール

PowerGres on Linux のインストールは、LifeKeeper for Linux をインストールしてから行います。 また、クラスタを構成するすべてのサーバにインストールをする必要があります。

インストール前の準備

PowerGres on Linux のスーパーユーザのユーザ名・ユーザ ID が異なると、共有ディスクもしくはレプリケートするディスクパーティションに作成されたデータベースクラスタへ PowerGres on Linux からアクセスできなくなります。

そのため、スーパーユーザのユーザ名・ユーザ ID をすべてのサーバで同じにする必要があります。

PowerGres on Linux をインストールする際に、スーパーユーザのユーザ名やユーザ ID を指定できますが、同じユーザ名でもサーバ間でユーザ ID が異なってしまうことや、あるサーバで指定できたユーザ ID がほかのサーバですでに使用されている場合などもあります。

そのため、インストールスクリプトを実行する前に、スーパーユーザをユーザ名・ユーザ ID がすべてのサーバで同じ状態になるように準備します。

また、スーパーユーザのホームディレクトリも作成してください。 これは PowerGres on Linux の死活監視をするために必要となります。

インストールの手順

製品に同梱している「PowerGres on Linux」の CD-ROM をマシンにセットしてください。 ここでは CD-ROM を /media/cdrom にマウントしているという前提で説明します。 マウントしたディレクトリが異なる場合は適宜読みかえてください。

なお、インストールは root ユーザで行う必要があります。

  1. インストールスクリプトを実行します。

    # /media/cdrom/install.sh
    
  2. 使用許諾契約書の内容が表示されます。 よくお読みの上、同意される場合は「yes」と入力します。

    Do you accept the end user software license agreement (yes/no):
    
  3. ライセンスキーを入力します。

    Please enter your license key (XXXX-XXXX-XXXX-XXXX): 
    
  4. インストールが開始されます。 インストール時に postgres ユーザが存在しなければ、自動的に作成されます。

    Installing packages...
    Preparing...                ################################ [100%]
       1:powergres91-libs        ################################ [  7%]
       2:powergres91             ################################ [ 14%]
       3:powergres91-server      ################################ [ 21%]
       4:powergres91-mecab       ################################ [ 29%]
       5:powergres91-docs        ################################ [ 36%]
       6:powergres91-contrib     ################################ [ 43%]
       7:powergres91-devel       ################################ [ 50%]
       8:powergres91-plperl      ################################ [ 57%]
       9:powergres91-plpython    ################################ [ 64%]
      10:powergres91-pltcl       ################################ [ 71%]
      11:powergres91-jdbc        ################################ [ 79%]
      12:powergres91-test        ################################ [ 86%]
      13:powergres91-mgr         ################################ [ 93%]
      14:powergres91-mecab-ipadic################################ [100%]
    
  5. 最後に以下のメッセージが表示されれば、インストールは完了です。

    Installation is completed successfully.
    
  6. PowerGres on Linux のスーパユーザの ~/.bash_profile に以下の行を追加してください。

    PATH=/opt/powergres91/bin:$PATH
    MANPATH=/opt/powergres91/share/man:$MANPATH
    export PATH MANPATH 
    

インストール後の構成

PowerGres のインストールが完了すると、以下の RPM パッケージがインストールされます。

powergres91

クライアントプログラムとライブラリ

powergres91-libs

クライアントから必要とされる共有ライブラリ

powergres91-server

サーバを生成して起動するのに必要なプログラム

powergres91-docs

ドキュメント (このマニュアル含め /usr/share/doc/powergres91-docs-version 下にインストールされます)

powergres91-contrib

コントリビュートされたソースとバイナリ

powergres91-devel

開発向けヘッダファイルとライブラリ

powergres91-plperl (サポート対象外)

PL/Perl (Perl 手続き言語)

powergres91-plpython (サポート対象外)

PL/Python (Python 手続き言語)

powergres91-pltcl (サポート対象外)

PL/Tcl (Tcl 手続き言語)

powergres91-jdbc

JDBC ドライバ (jar ファイルは /opt/powergres91/share/java ディレクトリにインストールされます)

powergres91-test

テストスイート

powergres91-mgr

PowerGres Manager (管理ツール)

powergres91-mecab

全文検索用の形態素解析ソフト MeCab

powergres91-mecab-ipadic

MeCab 用の辞書

PowerGres リカバリキットのインストール

PowerGres on Linux リカバリキットのインストールの前に、LifeKeeper for Linux と PowerGres on Linux がクラスタを構成するすべてのサーバにインストールされている必要があります。

インストールの手順

インストールを行うには、製品に同梱している「PowerGres on Linux リカバリキット」の CD-ROM をマシンにセットしてください。 ここでは CD-ROM を /media/cdrom にマウントしているという前提で説明しています。 マウントしたディレクトリが異なる場合は適宜読みかえてください。

rpm コマンドを利用して、リカバリキットを以下の手順でインストールを行います。 インストールは root ユーザで行ってください。

# cd /media/cdrom/LKRK
# rpm -ivh powergres-LKRK-version-release.noarch.rpm

versionrelease は CD-ROM に入っているリカバリキットのバージョン、リリース番号に適宜読み替えてください。